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フリーターにとって「自由」とはなにか

杉田俊介氏という人が人文書院(サルトルの本で有名な所)から出した本。2005年10月に出た本であり最新の本とはいえないのだが、フリーター問題について最もフリーターが持っている実感に近い所で書かれた問題の書。

もとより、戦後以降長らく続いた正社員雇用を当たり前とする環境が壊れて長く、すでにフリーター&その予備軍とも言うべきニートは個人の資質の問題というより社会的構造問題となっているのだが、この国の言論界は現実を直視しようとせず、輸入された権威筋の言論だけで社会を分析できたとみなす悪しき伝統があるために未だ社会的対策がなんらなされず、個人の責任であるかの如く言われ先行き不安のまま多くの若者が取り残されたままである。

この本では社会に問題を転化すればすれば解決するとは言わないがさりとて、個人の問題とは既に言いがたく、沈み行くタイタニックの上でどうすれば社会的リスクに個人的に対処しうるのか悪戦苦闘する普遍的内省ものである。

私もそういったフリーターの一人なので(しかも35歳をすぎている)この本をある種の感傷を持たずには読めなかった。この本の内容に自分なりに付け足すことがあるとすれば、高度経済成長時代と違った現代の正社員を育成しにくい環境下では日本的経営環境の意味が資本のグローバル化に伴って大幅に変わってきていることだろう。昔は企業内組合、カンパン制、QCサークル、大部屋、社内教育などはプラスの意味を持っていた。今ではアメリカ的競争原理とこれらの日本的特徴が国際的に混合することでピアプレッシャーやリーン生産、セルフマネジメントなどに主軸をおきながら、緩衝在庫をよりすり減らし、対企業的プロレタリア文化を育む要素を無駄として省くための怪物的監視強化システムに変化しつつある。

日本は成功した社会主義メカニズムだという皮肉があるが、社会主義体制では仕事をボイコットするという形で体制反逆が可能であったのに対しこの体制ではスターリン主義にみられる相互監視システムは維持したまま(戦時中の日本の隣組に起源を有する)サボる人間には失業(フリーター&ニート)の恐怖を与えるという真にうまい仕組みになっているのである。

しかも貧困者たちが団結しないように貧困者間にも細かな分断線を引き(丸山真男教授が分析したようにその根は江戸時代の階級差別で作られた技法に基づく)囲い込み(Mフーコ)だけはしっかりされて社会的見えないところに排除されているという徹底ぶりだ。

勿論、このリスクに脱属領化した個人がどうやって対抗しうるのか私にもわからない(わかっていたらフリーターをやっていない)。一つだけいえるのはこの国の社会には世間の目、マス暴力と弁別可能な普遍的倫理がない、よってそこに基づいた批判が空理空論として浮いてしまうということなのだ。本来そういうものは法ならびに過去に遡る膨大な啓蒙思想の蓄積によって生み出されなければならないのだが、この国は過去を軽視するか批判なく称揚することしかしてこなかったので、理想と現実という区別がなく本音と建前というダブルスタンダードを育ててしまった。





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プロフィール

とくもと(本名徳永基二)

Author:とくもと(本名徳永基二)
35歳、非マルクス系社会主義者兼、おたく評論家
を自称する禿のフリーターのおっさん。

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