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マルクス主義の論理的欠点

ソ連邦崩壊から早14年、にも拘らず、この国では未だ左派系思想家の間にマルクスの教条的学説に対する固着が蔓延っている。当たり前のことだが社会主義=マルクス主義ではない
マルクス以前にも社会主義者は居たし(ロバート=オーエンとか)、マルクスと同時代にも最大のライバルとなりえる社会主義の思想家は居た(PJプルードンとか)。マルクス主義の論理的欠点を指摘する社会主義の思想家は「資本論」出版直後から存在していた(レオン=ワルラス、ヴィクセル、セルリオ=ゲセルとか)、そしてこの思想に代わる代替理論を提起できる社会主義者ですら存在した(ヘンリージョージ、フレデリック=ソディ、CHダグラスなど)。本来、欧州経済学の純粋モデルの多くは社会主義的なオルターナティブについて考察するなかから生まれ出てきたものであり、社会主義の影響抜きで経済学を語れないぐらいだ。だが、この国ではこれらの論者の本が翻訳されることはつと有らず、曰く「今こそマルクスを読む」「マルクス主義の別な可能性」「ソーホーのマルクス」「マルクスとアソシエーション」なるマルクスを山車にした妄言が覆っている。保守が左翼を矮小化してマルクス=社会主義と語るのは解かる。だが、左派がこのマルクスなる虚言家にいつまでもしがみ付いている理由はなんのメリットもなく害ばかりなのでトンと理解できないのだ。

マルクス主義の最大の問題点は貨幣ベール仮説にあると前にも書いた。
貨幣は三つの機能をもつ。「労働を計る価値尺度」「交換手段」「富の貯蔵手段」。前者の二つの機能と後者の機能は本来対立関係にある。前者二つの機能が有効に働くためには貨幣は常に流通状態になければならない、所が「富の貯蔵手段」としての機能は貨幣を流通状態から引き上げる効果をもつ。では、何故貨幣が富の貯蔵手段としての役割を引き受けているのだろうか?それを理解するためには貨幣利子率と自然利子率の差ということを理解する必要がある。

例えば、ここで一粒の麦を育てて千粒の麦を付けた稲穂を得られたとする。この場合、999粒が自然利子率というわけだが、実際にこれを得るためには太陽の恵み、よく肥えた大地の恵み、水の恵みなどの自然からの多くの投入と労働投下を必要とする。さらには取れた稲穂も、よく天日で乾かし、風通しの良い倉でねずみ、寄生虫、病原菌と抗いながら保存されなければ保てないし、そこまで手間隙駆けても、いずれ古くなって食えなくなる日がやってくる。すなわち、労働産物は須く減価償却する定めをもつ。別な言葉で言えばエントロピーの法則に逆らうことが労働価値を生み出すということなのであり、労働価値とエントロピー値を足し合わせると価値0となるのである。

労働生産物には減価償却しない産物も有るという反論もありえよう。だが、労働産物は大概は次の三つの類型のどれかに分類可能である。1、算出量が少なく希少だが保存が大変であるため需要も少ないもの、2、希少であり需要もあるが代替財もあるもの、3、需要があるが少しでも値が上がると競合業者が参入して値を押し下げてくれるもの。

この三つに分類できない「希少でありみんなが必要としており、保存が簡単なもの」という独占好条件がそろったものといえば、土地と貨幣と特許権という風に特定の対象に集約されてくる。土地は貨幣が独占の手段となる前の段階における主要な独占手段だった。ただ、近代では土地の占有はフットワークが鈍るため、敬遠され天然資源のように一部のものを除き(それとて実物の占有でなく先物取引による空買、空売りが大部分を占めている。)貨幣のようにバーチャルに動かせるものへと独占手段が移って来ている。20世紀後半からはここに特許・著作権制度が仲間いりするようになった。

貨幣が他の商品と異なっているのは労働価値の尺度であるためみんなが必要とし、交換手段であるため価値を変動させるわけに行かない点だろう。そしてこれが占有されることで何が起こるのかというと利潤率を投資利子よりもいつも上に持っていけなければ貨幣が借りることすらできない、よって本来、偶幸にすぎない利潤をいつもプラスにしなければいけない、そのための激しい競争が起きることである。

本来貨幣は常に市場で流通していなければならない。血液が常に流通していなければならないように。だが現在の資本主義下では貨幣が市場で回りえるかどうかは資本家の投資意欲任せときている。資本家は当然固定費用の増大、投資回収率の悪さを嫌う。すると本来労働担保でなりたっているはずの貨幣という名の手形の価値がますます労働担保を失ってゆくというパラドックスが生じる。(デフレとインフレはその究極状態において裏返る。インフレの性で紙くず同然となった貨幣の下での経済では海でのどが乾くように、交換手段の不足に陥り、デフレで市場に出回らなくなった貨幣は国債のような借金証書のみを投資対象とするようになり最後には貨幣としての機能を失う。)

ケインズはこれ(経済のデフレ化)に対する対策として有効需要政策ー擬似インフレ策を唱えたが(市場で貨幣を増やしてゆくと資産家の貨幣資本の価値が相対的に下がるはずだ。)、このやり方が問題だらけなのは知っての通り、1、業界と官界との癒着、産業構造の変換が起こりにくい、2、既存の階級構造を温存したまま貨幣を上から垂れ流すため、乗数効果が働くかどうかは企業家任せ。労働者が企業に従属し、新産業が起こりにくい。3、拡大再生産を競争状態を維持するため続けざる得ず、環境破壊が深刻化、4政府は増税を避けるため赤字国債に頼りがちとなり財政危機が深刻化する。

ではどうすれば問題は解消するのか。まず、既存の銀行券に頼らず政府紙幣を独自に発行する。(赤字国債全てこれで償却する。)これは減価償却債とし、貨幣の占有を防ぐシステムを最初から組み込む。(減価償却分は全て政府収入となる。)公共事業に頼った経済政策をやめ、基礎所得として労働人口の頭割りで配当する。以上である。労働人口に合わせた頭割りはフリーラィダーの問題が出るとよく基礎所得政策を主張すると批判されるのだが、現在の新自由主義経済下でも失業者が大量発生しているーこれを新自由主義者は自然失業率とか雇用の一時的ミスマッチという言葉でごまかしていることを忘れすぎである。ヤン=ティバーゲン博士の「国民総所得の外部注入理論」で国民総所得に外部注入を行うとGDPの上昇が起こる、別な言い方をすると新たなる需要が喚起され
新しく得た基礎所得を資本として新たな産業が発生しやすくなり雇用も上昇することが証明済みである。自分で新しく得た所得をうまく活用できない人は貨幣の減価償却の圧力に押されて別な対象に投資したり銀行に預けたりしようとするだろう。結果、市場に出回った貨幣は須く適切に使用されるだろう。(すなわち公共事業政策より貨幣は充分に担保価値を得る)

銀行の利子率との関係も注目に値する。普通、政府の財政出動は貨幣総量そのものの増量を行うわけでないので銀行の利子率を上げクライング=アウトを起こさせる。所がこのやり方だとクライング=アウトが発生しない。おまけに財政政策の問題点、市場に流通する貨幣は市場が求める(商品の売り上げ見込みに相当する投資需要)以上に増大させられず、利子率の下げ幅には自ずと限界が伴うという問題まで解決している。

貨幣税のせいで外国に資本が流出するなどとは考える必要がない。外国に出た資本は全て為替交換を得ているのだ。すなわちこれは貨幣の退蔵と同じで、国内の貨幣と同様の減過償却の洗礼を浴び銀行の金庫内で価値を減らしてゆくことになる。それに、もし出てゆく一方だとしても、この国の通貨は円安になり輸出に好都合な条件が整うことになる。貨幣は輸出物に対する支払いを通じて還流してこよう。

この政策を導入することによって、はじめて個人は一定の私有財産のもとに社会に対する発言権を手にすることが可能となり、国民が真の有権者となりえる。さらにはアダムスミスが考えていたような企業家=投資家=消費者という理想状況が訪れ、市場の中で個々の経済主体が自らの能力を最も発揮できる場所に棲み分け希少資源で最大効用が上げれるような最適分配が成立するようになるのである。人々は初めて個々人の能力を自由に発揮しながら尚且つ連帯をしてゆくことの真の意味を学ぶだろう。
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プロフィール

とくもと(本名徳永基二)

Author:とくもと(本名徳永基二)
35歳、非マルクス系社会主義者兼、おたく評論家
を自称する禿のフリーターのおっさん。

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